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ミエローマと私
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私とミエローマ(骨髄腫)という病気(血液がん)のブログです。親サイト「ミエローマの資料館」には記載しにくい関連ニュースを主に書いていこうと思っています。(ギタリストの一休)
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トロイの木馬

2009/07/04 10:42
asahi.comに下記の記事がありました。

「トロイの木馬」微小細胞でがん退治 豪研究者ら開発
2009年7月4日9時14分(asahi.com)

英文の参考記事
Scientists kill cancer cells with "trojan horse"
By Michael Perry Michael Perry Mon Jun 29, 5:57 am ET

Hi-tech 'Trojan horse' can kill cancer cells: researchers
June 29th, 2009

発表論文
Jennifer A MacDiarmid, et al;
Sequential treatment of drug-resistant tumors with targeted minicells containing siRNA or a cytotoxic drug
Nature Biotechnology Published online: 28 June 2009 | doi:10.1038/nbt.1547

・バクテリア由来のミニ細胞を使用
・ミニ細胞は、腫瘍細胞表面受容体に対する抗体を介して腫瘍細胞に侵入
・二本鎖の低分子干渉 RNA(siRNA)に多剤耐性(MDR)蛋白を無効化する遺伝子をコード化しておく。
・最初はミニ細胞に入れたsiRNAが腫瘍細胞の薬剤耐性を無効化。
・次にミニ細胞に入れた抗がん剤が耐性を失った腫瘍細胞を殺す。
・抗がん剤、siRNA、抗体の量は通常化学療法の数千分の1でよい

動物実験で100%生存率には驚きます。血液がんも試験されているかはわかりませんが、今後の新艇に期待大ですね。
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ベンダムスチン

2009/06/25 11:33
ベンダムスチン(Bendamustine)は、アルキル化剤や代謝拮抗物質と構造的に類似した薬剤で、メルファランやシクロホスファミドなどの他のアルキル化剤と非交叉耐性だという点が注目されます。

国内では、シンバイオ製薬株式会社が「ベンダムスチン塩酸塩(SyB L-0501)」として開発中です。
シンバイオ製薬株式会社のサイト

骨髄腫に対しては、主にドイツで使用されており、いくつか報告があります。

PMID: 18752593(日本語訳)
自家幹細胞移植または従来型化学療法後に再発または難治性となった多発性骨髄腫に対するベンダムスチン・プレドニゾン・サリドマイドによる併用療法(第T相臨床試験結果)
Combined bendamustine, prednisolone and thalidomide for refractory or relapsed multiple myeloma after autologous stem-cell transplantation or conventional chemotherapy: results of a Phase I clinical trial.
Br J Haematol. 2008 Oct;143(2):191-200.
・被験者:再発難治性 28例
・レジメン(1サイクル28日)
 - ベンダムスチン(60mg/m2)
 - プレドニゾン(100mg)
 - サリドマイド(50/100/200mg).
・奏功成績
 - PR以上 86%(24/28例);2サイクル以下で到達
 - CR 4例、VGPR 6例、PR 14例
・生存成績
 - PFS 11ヵ月
 - OS 19ヵ月

PMID: 18067009
再発または難治性多発性骨髄腫患者を対象としたボルテゾミブ・デキサメタゾン・ベンダムスチンによる併用療法の用量決定試験
Escalation therapy with bortezomib, dexamethasone and bendamustine for patients with relapsed or refractory multiple myeloma.
Leuk Lymphoma. 2007 Dec;48(12):2345-51.Click here to read
・被験者:再発難治性 50例
・レジメン(1サイクル21日)
 - ボルテゾミブ(1.3mg/m2)、1,4,8,11日当初単独投与
 - 上記不応例に、デキサメタゾン(40mg)、1,4,8,11日追加
 - 上記不応例にベンダムスチン(50〜100mg/m2)、1,8日追加
・奏功成績
 - ボルテゾミブ単剤: 23例(46%)
 - デキサメタゾン追加:20例(40%)
 - ベンダムスチン追加:7例(14%)
 - ORR 84%
・生存成績
 - TTP 8ヵ月
 - OS 20ヵ月


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脊椎圧迫骨折の新しい治療法

2009/06/24 10:23
しばらく間隔が空きましたが、脊椎圧迫骨折の新しい治療法について調べてみました。

Vesselplasty(椎体増幅形成術)という、Kyphoplasty(亀背形成術)を改良したものが開発されています。
これは、PET製人工チューブ(Vessel-X)を骨折箇所に挿入後、骨充てん材料(Bone Void Material)を注入して膨らまして脊椎の高さを回復させるもので、この方法ではセメントが漏れる心配がなく安全に施工できるとのことです。

A-Spine Holding Group Corp
説明(アニメあり)
各種形成術の比較表

上の比較表では、Vertebroplasty(椎体形成術)、Kyphoplasty(亀背形成術)、Vesselplasty(椎体増幅形成術)を比較しています。

調べるきっかけとなった報告は、次の資料です。

PMID: 19542417
Flors L, et al;
Vesselplasty: a new technical approach to treat symptomatic vertebral compression fractures.
AJR Am J Roentgenol. 2009 Jul;193(1):218-26.

MM2例を含む29症例で計37件施行した結果を報告しており、合併症は全く見られなかったとのことです。

日本でも「あいち腰痛オペセンター」で取り扱っているみたいです。手術の方法や費用など詳しく記載してありますが、保険診療外なので一般人には高すぎます。

あいち腰痛オペセンターの脊椎圧迫骨折サイト

より安全な簡単な手術で、圧迫骨折による痛みや日常の活動性が改善できれば、素晴らしいことだと思います。ぜひ適正価格の保険診療で扱ってほしいものですね。





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ASCO2009の資料

2009/06/06 10:34
米国臨床腫瘍学会(ASCO)の資料が、国際骨髄腫財団(IMF)と多発性骨髄腫研究財団(MMRF)から発表されています。

IMF: Webcast from ASCO 2009:

主にビデオ映像ですが、CarfilzomibとVorinostatのPDF資料が見れます。

MMRF: MMRF Reports Live from ASCO
[PDF]

インタビュービデオクリップですが、文字起こししたPDF資料が見れます。
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移植前の導入療法で新薬は優れているか?

2009/06/04 09:51
韓国からの報告で、導入療法としてボルテゾミブ含有レジメン(30例)とVAD療法(39例)を比較した場合、自家移植前のVGPR以上の寛解率(66.7%対34.2%)は高いものの、移植後のPFS(P=0.498)やOS(P=0.835)に有意差は認められなかったということです。自家移植前の寛解の深さは、移植後の生存率にはあまり影響せず、自家移植つまり大量メルファランによる奏功の深さが問題のようです。

PMID: 19487425
多発性骨髄腫に対する自家幹細胞移植前の導入療法としてのボルテゾミブ含有レジメンとVAD療法の後方視的比較
Eom HS, et al;
Retrospective Comparison of Bortezomib-containing Regimens with Vincristine-Doxorubicin-Dexamethasone (VAD) as Induction Treatment Prior to Autologous Stem Cell Transplantation for Multiple Myeloma.
Jpn J Clin Oncol. 2009 Jun 1. [Epub ahead of print]
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同種移植後のCRの重要性

2009/06/04 09:41
ドイツからの報告で、同種移植後PRだった患者32例に対してDLI(ドナーリンパ球輸注)を実施し、それでもCRに達しない場合は新規薬剤(ボルテゾミブ、サリドマイド、レナリドミド)を1種類使用したものです。5年時点での無進行生存率(PFS)と全生存率(OS)をCRに達しなかった例と比べると、欧州EBMT基準でCRの場合は、PFS=53%対35%(p=0.03)、OS=90%対62%(p=0.06)、フローサイトメトリー分析でCRの場合は、PFS=74%対15%(p=0.001)、OS=100%対52%(p=0.1)、分子的分析(PCR法)でCRの場合は、PFS=84%対38%(p=0.001)、OS=100%対71%(p=0.03)と報告されています。これから同種移植後のCRの重要性とCRを目指した地固め療法の重要性が示唆されるとのことです。

PMID: 19487069
多発性骨髄腫の同種移植患者において部分寛解を完全寛解・分子的寛解に改善するための移植後のDLIによる免疫療法と新規薬剤
Kro"ger N, et al;
Post-transplant immunotherapy with donor-lymphocyte infusion and novel agents to upgrade partial into complete and molecular remission in allografted patients with multiple myeloma.
Exp Hematol. 2009 May 30. [Epub ahead of print]
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ビスフォスフォネートの欧州ガイドライン

2009/05/27 16:51
欧州からビスフォスフォネートの使用法についてのガイドラインが発表されました。全文フリーで公開されており、良くまとまった資料だと思います。推奨のところだけ抜粋してみました。

PMID: 19465418
多発性骨髄腫におけるビスフォスフォネートの使用法:欧州骨髄腫ネットワークの専門委員会による提言
The use of bisphosphonates in multiple myeloma: recommendations of an expert panel on behalf of the European Myeloma Network.
Ann Oncol. 2009 May 22. [Epub ahead of print]
[全文]
http://annonc.oxfordjournals.org/cgi/content/full/mdn796v1

【推奨の抜粋】

◆ ビスフォスフォネート治療の有効性
溶解性骨病変(グレードA)または骨減少症(グレードC)が認められるMM患者の治療のひとつとしてビスフォスフォネート治療を推奨する有力なエビデンスがある。

◆ビスフォスフォネートによる疼痛コントロール
骨髄腫骨病変による骨痛のコントロールには静注投与のゾレドロン酸とパミドロネート、または経口投与のクロドロネートが有用である。但し、ビスフォスフォネートと同時に、WHO推奨に従って鎮痛剤も使用すべきである(グレードB)。

◆ビスフォスフォネート治療の順守
投薬要件を順守する必要から患者は教育を受けるべきである(グレードD)。経口投与では潜在的に服用順守の問題があるため、できるだけ静注投与が望ましい(グレードD)。

◆ビスフォスフォネート選択と投与経路
MMにおける骨関連事象(SRE)の抑制に関しては、静注投与のゾレドロン酸とパミドロネートの有効性は同等である(グレードB)。病院へ行けない患者では、自宅での静注投与または経口服用(但し、実行可能で認可されること)を検討しても良い(グレードD)。

◆ビスフォスフォネートの投与方法と治療開始時期
MGUSまたは無症候性MMの治療には推奨されない(グレードC)。溶骨性病変および/または病的骨折がある患者(グレードA)はもちろんだが、重度の骨減少症/骨粗鬆症が認められた患者(グレードC)にも投与すべきである。単純X線写真で明らかな骨病変が認められない患者で、化学療法が必要になった時点でビスフォスフォネート治療を開始すべきである(グレードB)。

◆抗骨髄腫治療と同時に行うビスフォスフォネート治療の相乗効果
ゾレドロン酸とパミドロネートにはMM治療との相乗効果または相加効果がある可能性があり、将来、抗骨髄腫治療薬と併用して良い結果が得られるかもしれない。ただ本委員会では、このような概念を臨床試験を経ずに臨床に転用するのは早すぎるという一致した意見であった。

◆ビスフォスフォネート治療関係の有害事象
経口投与では、消化管合併症(下痢、嘔吐、腹痛)を避けるため、患者に対して事前に適切な注意が必要である(グレードA)。一時的な急性期反応は鎮痛剤投与で管理可能であり、ビスフォスフォネートを中止する理由はない(グレードB)。電解質平衡異常を防ぐため、カルシウムとビタミンD3の投与を検討すべきである(グレードB)。腎臓障害がある患者では、クレアチニン・クリアランス、血清電解質、尿蛋白をモニターすべきであり(グレードB)、用量を減らし輸注時間を長くして投与すべきである(グレードC)。上述したような腎臓合併症がある患者に対しては、腎臓の忍容性が最も有利なビスフォスフォネートを選択するよう推奨する(グレードD)。

◆顎骨壊死
患者は総合的な歯科検診を受け、最適な口腔衛生について学ぶべきである(グレードC)。現存する歯科疾患または危険性が高い歯科疾患は、ビスフォスフォネート治療を開始する前に処置すべきである(グレードC)。治療を開始してからは、不必要な侵襲的歯科手術は避けるべきであり、歯の状態を毎年モニターすべきである(グレードD)。現状の患者の歯科衛生状態について、医師および歯科医は、できればお互いに連絡を取り合って追跡調査すべきである(グレードD)。歯科手術が不可欠であれば控えめに実施すべきである(グレードC)。侵襲的歯科手術が必要になった場合は、ビスフォスフォネートの一時停止を検討すべきである(グレードD)。顎骨壊死の初期治療には、治るまでのビスフォスフォネート中止を含めるべきである(グレードC)。ビスフォスフォネートの再開は、前方視的長期試験の結果が出るまでは、個々の患者ごとに決定すべきである(グレードD)。医師は、主に再発/難治性例でのビスフォスフォネートの利点・欠点を考慮に入れるべきである(グレードD)。

◆ビスフォスフォネートの治療期間
2年間は投与すべきであるが、それ以降は医師の判断による(グレードD)。再発した時点で再開すべきである(グレードD)。

◆ビスフォスフォネート治療における骨マーカーと画像診断の利用
委員会としては、骨関連事象リスク予測またはビスフォスフォネート治療最適化における骨生体マーカーの利用につて、臨床試験の一部として使用する以外は、現時点では推奨できない(グレードB)。骨病変の評価では、単純X線写真が現状では通常の検査法であるが、MRI検査が有益な検査手段となる場合がある(グレードC)。X線写真に溶解性病変が見られない場合でも、骨合併症のリスクを調べるために、他の画像検査(例えば、脊椎のMRI検査、または利用可能なら全身のMRI検査)を検討すべきである(グレードD)。

【エビデンス種別】
レベル1:複数のうまく設計された対照比較試験、つまり偽陽性および偽陰性エラーが少ない(高品質の)無作為化試験についてのメタアナリシスから得られたエビデンス。
レベル2:1件以上のうまく設計された実証研究、つまり偽陽性および/または偽陰性エラーが多い(低品質の)無作為化試験から得られたエビデンス。
レベル3:うまく設計された擬似実証研究、つまり非無作為化、単一群対照、治療前と治療後、コホート、時間、または一致症例を対照とした試験なとで得られたエビデンス。
レベル4:うまく設計された非実証研究、つまり比較研究、相関性記述的研究、症例研究なとで得られたエビデンス。
レベル5:症例報告および臨床例、つまり著者の専門的意見からのエビデンス。

【推奨グレード】
グレードA:タイプ1のエビデンスがあるか、タイプU/V/Wの複数の試験から得られた結果が一致している。
グレードB:タイプU/V/Wのエビデンスがあり、かつ結果が一致している。
グレードC:タイプU/V/Wのエビデンスがあるが、結果が一致していない。
グレードD:体系的な実証エビデンスが少ないか無い。つまり、レベルXのエビデンスに基づいて委員のコンセンサスにより決定された推奨。


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